手を使うことで人類は現在の発展を遂げました。しかし手を過度に使うことや同じ動作の繰り返しが原因で腱鞘炎を起こし、重症化すると指がかくかくと動くようになるばね指、手指のしびれや母指の筋力低下を起こす手根管症候群などを続発することもあります。

また手は怪我も多い部位です。倒れて手をついて怪我をした、ボールでつき指をした、刃物で切ってしまったなどたくさんの方が毎日いらっしゃいます。

ちなみに「つき指」は病名ではなく指をついて怪我をしたことにすぎません。その中には骨折、脱臼、腱・靱帯損傷など多くの損傷が含まれます。ちょっとつき指したを放っておくと大変です。遅くなってからでは陳旧性となり、治療内容も限られてきます。骨折、脱臼など怪我によりますがなるべく早く治療開始したほうがより短期間で機能上も良く治すことができます。
切り傷は小さな傷だとしばらくしてから来院される方もおられます。しかし手指は皮膚のすぐ下に神経、血管、腱、靱帯など重要なものがたくさんあります。1cmの傷でも腱が切れて大手術になる方もおられます。

手外科は指先から肘くらいまでの腱鞘炎、外傷(骨折、脱臼、開放創、腱損傷、神経・血管損傷、靭帯損傷)、神経疾患(手根管症候群、肘部管症候群、橈骨神経麻痺)、関節疾患(手指変形性関節症、変形性手関節症、変形性肘関節症、関節炎、関節拘縮)など多岐にわたって対応しています。

いずれの疾患、外傷も医師のみの力で治療がうまくいくとは限りません。リハビリが非常に重要な鍵となります。腱鞘炎などは初期であればリハビリだけでかなりの方が治ります。ちょっと重症化しても可能な限りリハビリで治療しています。また手術をされた方はとくにその後のリハビリが大事なのですが、手のリハビリをしっかりできる施設は限られています。当院では本院に3名、クリニックに2名の手外科担当療法士がおり、安心してリハビリを受けていただけるようになっています。

医療法人社団青嶺会 松戸整形外科病院
副院長 徳永 進

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